村田製作所の株価・銘柄分析!将来性や今後は?Apple社に部品提供

この記事は、以下の人におすすめ!
・村田製作所の業績を知りたい
・今後期待できる点を知りたい
・強みや事業リスクを知りたい
・決算分析の時間を少しでも短縮したい

目次

事業内容

始めに村田製作所の事業内容です。
同社は、スマートフォンやPC、自動車などの電子機器向けの電子部品を製造・販売しています。主力製品はコンデンサーでインダクタコイルやフィルタなどの部品も提供しています。世界でも高いシェアを獲得している製品が多く、現在のスマートフォン技術に大きく貢献しています。Apple社のiphone製品にも多くの同社製品が使用されています。

村田製作所の製品群
引用:Murata value report 2022

また、グローバルに事業を展開しており、海外売上高比率は90%を超えています。2022年3月末時点で国内関係会社30社、海外59社と幅広いネットワークで事業を展開しています。

グローバル展開
引用:Murata value report 2022

用途別売上高では、通信関係で43%、モビリティで18.6%を占めています。地域別売上高では、中華圏が54.8%で、Apple社が中国に工場を保有しているため割合が大きくなっていると思われます。中国の動向にも注意が必要です。

引用:Murata value report 2022

同社の強みです。

・豊富な製品ラインナップ
・小型・大容量・高品質な製品が生産できる技術力
・世界的な販売体制と供給能力


次に同社の将来性です。

・通信・自動車・IoT製品などの市場拡大
・新製品開発による製品ラインナップ増加

・スマートファクトリーの取組みによる生産性向上
・M&Aや拠点増加による生産能力増加

新製品の開発件数が多く、付加価値のある製品(新技術、小型化、高性能、汎用化)が多い印象です。特許数も国内外で数多く保有しています。

引用:Murata value report 2022

また、主な事業上のリスクになります。

・世界経済停滞や地政学リスクによる市況悪化
・競合企業との競争激化
・Apple製品の生産減少

・中国の経済・政治状況による市況悪化

さらに詳しく見たい、技術的な詳細も確認したい方は、村田製作所のホームページで確認してみてください。

業績

次に業績をみていきます。
2023年3月期第1四半期決算短信を確認します。

2023年3月期第1四半期決算短信
2023年3月期第1四半期決算短信

・売上高:4,367億円(昨年比▲0.7%)
・営業利益:886億円(昨年比▲15.7%
・経常利益:1,012億円(昨年比▲2.4%
・1株あたりの純利益:118円

エレクトロニクス市場では、中国ロックダウン、半導体不足の長期化の影響でスマートフォンやPC、自動車などの生産台数が減少したことにより、部品需要も減少しました。

セグメント別売上高内訳

主力のコンデンサーは、基地局やウェアラブル端末向けで増加したことや円安による為替変動の影響もあり、前年同期比の売上高に比べ6.4%増加しています。高周波・通信では、スマートフォンの生産数減少をうけて、前年同期比15.5%と大きく減少しています。

セグメント別受注高

次にセグメント別の受注高です。第1四半期に獲得した受注高は、エナジー・パワー部門を除き全て前年同期を下回っており、合計で14%の減少です。中国ロックダウンやスマートフォンやPC需要の減少などの影響を受けていると思われます。

セグメント別受注残高

セグメント別受注残高では、前年同期を合計で下回っておりピークアウト感がでています。今年度は米国の金利上昇や世界的な景気減速感もあり、厳しい状態と思われます。

通期業績予想

2023年3月期連結業績予想

2023年3月期は増収減益予想です。想定為替レートは1ドル120円で、為替感応度は1円あたり⽶ドルが売上⾼110億円/年、営業利益60億円/年です。

売上高

売上高

売上高推移は、増加傾向です。主力のコンデンサー製品の売上高の増加の影響が大きいです。

営業利益・営業利益率

営業利益・営業利益率

EPS(1株あたりの純利益)

EPS・1株あたりの純利益

営業利益、EPSの推移でも増加傾向です。営業利益率については、20%前後あり、非常に高収益体質です。

財務状況

次に財務状況をみていきます。2022年6月末時点での状況です。

・資産合計:2兆8,502億円
・負債合計:5,227億円
・純資産合計:2兆3,275億円
・自己資本比率:81.7%
・有利子負債:1,110億円

・有利子負債比率:4.8%
・流動比率:489%
・現金及び預金:3,489億円

財務状況は、非常に好財務です。自己資本比率、有利子負債比率、流動比率において安全な数値で、倒産リスクは低いと思われます。

BPS(1株あたりの純資産)

BPS・1株あたりの純資産

1株あたりの純資産の推移をみると、毎期資産が積みあがっているのが分かります。安定してBPSを伸ばせる点は、投資をする上で重要です。

株価

次に株価をみていきます。
2022年10月4日時点の株価は、6,790円です。

6ヵ月チャート
10年チャート

6ヵ月チャートでは、少しずつ下げている状態です。景気減速懸念に加え、直近でApple社のiphone増産計画が見送られたため、関連企業である同社も大きく下げました。
10年チャートでは、上げ下げを繰り返しながら右肩上がりのチャートです。

各指標

次に各指標をみていきます。

・時価総額:4兆6,922億円
・PER(予):13.65倍
・PBR:1.89倍
・配当金(予)/利回り:150円/2.12% 
・優待:なし
・信用買残:2,145,200株
・信用倍率:21倍

時価総額は4兆6,922億円で、JT(日本たばこ)やキャノンと同規模の会社です。
PER目線でみると”やや割安”水準、PBR目線でみると”やや割高~適正”水準です。

配当金・配当性向

配当金・配当性向

配当金については、毎期増加しています。配当性向は、30%前後で内部留保を確保しつつ、しっかりと株主還元ができています。

まとめ・個人的見解

村田製作所を総合的に判断し、非常に健全で優良企業だと思います。将来性、収益性、財務状況全てにおいて良好です。長期で見て安値では、購入を検討したい企業です。

分析ポイントは、下記の通りです。

・スマホやPC、自動車などの電子機器部品を製造
・主要顧客はApple社で中国の売上比率が高い(50%超)
・海外売上比率(90%超)
・営業利益率(20%前後)
・財務状況は好財務
・配当は増加傾向、配当性向30%

今後も村田製作所の業績や株価には注目していきたいです。

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